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猿啼奥出雲集
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猿啼奥出雲集
和歌にこめた思い
新しい古典和歌の歴史をつくる!
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歌人紹介
猿啼奥出雲集
金木犀匂ひつるかな秋の野に心づくしの色は絶えても
心まで遥かに照らす月夜には草葉の虫も南無阿弥陀仏
風ひとつふたつと過ぎて更くる夜の夢にも萩は散りにけるかな
萩の花くれぐれまでは見てしがないづれ来ぬてふ夜を思えば
心なき秋の風には見えざらむ上枝にあえぐ萩の一片
枯れ果つる野とや知らずに蝶々の羽うち交はし彷徨ひにけり
彼岸花にほふ山辺をながむればかたじけなくも落つる夕暮れ
秋の夜のあかぬ音色にさまよえば雲居はるかに月かたぶきぬ
しぐれてはかはらぬ朝の色ゆゑに絶えで降るなり松虫の声
思ひやる中空とほくゆく雲の切れ間の月にうつる雁金
なべて世は秋になるらし縒られつる野もせの草に鈴虫ぞ鳴く
夕暮れの雲のはたての下にすむ昔の人に会ふよしもがも
鎌倉の夏をあつめて円覚寺よもの梢に蝉ぞなくなる
踏切の絶えで鳴るなり鎌倉の古きお寺に蝉の声ごえ
蝉の音もひとつふたつと消えぬれば寂しくもなるか夏の行方も
こがくれてまだ見ぬ秋を思ふにもなほ恨めしき蝉しぐれかな
逢わぬ夜のすさびのはてに書きつもる文月にまでとどかむとす
うちしめて恋の行方は見えねども逢ひにし後の涙か雨は
ことならば濡るるともよし御手洗のあまだれを待つ夏越祓に
うらがるる松風ばかり残るらむ月は遥けき面影にして
響かせて夏は来るなり蝉の声雨音しずむ窓のけしきに
紫陽花の色も遠くになりぬれば天の白雲ながめつるかな
ふさぎける心はいずこ大空にほがらほがらと雲ぞ浮きける
たれこめて変わらぬ空を眺めても思ひめぐるは木の下の影
白雲の峰立ち上る夏の日にシロツメクサの野はこがれゆく
さみだれて夢の足音かぞふれば小泥(こひぢ)の末に見し人の影
青は藍愛は恋より出できてふ今ひとしほの色をみせばや
ひよるりとトンビの空を聞きながら横須賀線は逗子を離れゆく
いつの間に老ひぞしにけるタンポポの日並めの色は見る影もなし
魂なれば蛍よりけに燃ゆる火のそれとかと見よ出づる思ひを
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