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猿啼奥出雲集
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猿啼奥出雲集
和歌にこめた思い
新しい古典和歌の歴史をつくる!
内田かつひろ/和歌DJうっちーのご紹介
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歌人紹介
猿啼奥出雲集
全歌
四季
夏
雲雀ゐる声のあたりを眺めむとしばし宿かる木の下の陰
道のべの見知らぬ花のいろいろに変はりてけりな人の衣も
紫陽花のまだしき色を見にくれば長谷の外山にうぐひすの声
あはれかな羽の破れし蝶がなほ花のあたりに酔ひしれてゐる
破れける羽もろともに飛ばされてそれでも蝶は花とめてゆく
こたへなく知らん顔にて咲きにける花はゆかしき紫の色
ひき結ぶあふひなけれど忘れめや昔語らむはつかなる人
うちむれて行く人波をさかさまにつばめの母はやすやすと来ぬ
などつばめ年なみに借る宿だにをここにさだめし人むらの駅
浅みどり梢の奥の深みどり夏のみどりはみどりあらずや
窓を打つ風のにわかに変わるかなひとつふたつと傘も開いて
夏や来ぬ問わずかたりの声だにもそよと鳴るなり鈴掛の実
やわらかき夏の光を透かしける若葉に太き血潮流るる
しろたへの衣ほしたる夏の夜は日向に香るやがて夢まで
大空はみどりに薫るくさまくらいざ旅ゆかむ心のままに
行てみばなほ疎まれぬ別れかな形見ににほふ深山辺の花
雨あがり道にかしましうなゐ子の声あけらけき夏はくるなり
植えそめし心もとなき躑躅木を横の車はなぶりてぞ行く
かはたれやこたえぬ花にほととぎすあくるまなくになほ問ひてみむ
つばくろのゆきかふ道のかたければ帰るべきかは雨は降るとも
そぼち降る雨に濡れつつ岩つつじ語るとなしに花匂ひけり
ほの揺りし麦わら帽の萬壽菊えやは忘れぬ夏のこひかな
渚には風の音にぞ知られなむ夏と秋との交ふる夕凪
今の世をいかが見つらむ岩の戸の奥に籠れる皇帝ペンギン
明けにけりとはつゆ知らず木漏れ日の影まだ涼し軒のうたた寝
親心知らず顔にて立ちにける時に訪ねよ君がふるさと
知るらめや水無し月の蛍火は見えでまされり下燃えにして
夢にても人目つつみの玉匣あければ虚し夏の短夜
雨ふれば夢だにすだく奥出雲田の面の歌は夜ごとまされり
五月雨の露を砕くる人もなき笹の葉しげる老ひの山里
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