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猿啼奥出雲集
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猿啼奥出雲集
和歌にこめた思い
新しい古典和歌の歴史をつくる!
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歌人紹介
猿啼奥出雲集
全歌
四季
宵の間の薫る枕に寝覚めれば軒につれなき春雨の音
風のまに軒端の花は散りぬとも春はめぐみの色となりゆく
難波津の花は見えねど弱法師の心のうちに咲くやこの花
東北の花より花はなかりけり色絶えてこそまさる色あれ
春栄え老木も緑若竹の仲睦ましき世々ぞなりける
花は咲き野々に蝶舞ふ春なれどいまだ慎む鳥ぞむなしき
梅が枝に来ゐるうぐひす汝が鳴けば歌の心もそそめきにけり
春風は一夜めぐりの君なれや今日はいづこの花に吹くらむ
春立てばくゆる心も残りなく溶けて消えなむ大空青し
晴れやらぬ心のうちにゆきくれて来にける春は虚しからずや
帰りこぬ年の終はりを思うにもただ里人は春を待つらむ
葛城や標の紐を解かむとて間なく時なく雪ぞ降りける
人知れず匂ひぬるらし霙降るむなしき枝に来ゐるうぐひす
雪まぜに心みだれて今日もまた見果てぬ夢に枕濡らしつ
みぞれ降る空の重さを眺めてはなほ思ひ沈む心なりけり
弓張りの月の空より眺むれば山のあなたに春や見ゆらむ
語らまし垣根の隙の寒椿春待つ人やいつか会ひみむ
軒端うつ垂水の音の早ければ今吹く風はあゆの風かな
雪深き春の通い路迷ひなば山橘の色を訪ねよ
雪の降れば上枝の花も綻びて人に知られぬ春や来るかな
冬されば人恋しくもなりにけりポインセチアの色に焦がれて
ゆき暮れて誰も問ひ来ぬ山里に折れ伏す竹の音のみぞする
諸人よ今ぞ踏みつる土くれは昨日の錦、色の果てなり
年の瀬やいまだ待たるる宝船今年こそ射れ一矢の夢よ
冬枯れの枝に吹き添ふ風のまにまだきうつろふ花の白雪
みに染まる色もありけり橘の昔語りの人を思へば
秋すぎて花の色香はなけれどもいまだ心をゆりし面影
養老の川をふりはえ行く人はおなじ紅葉の錦着にけり
まれに見む人と重ねる夜なれや隠るものかは紙漉きの空
人知れず秋を手向くる谷川はそこの影さへ紅葉しぬらし
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