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猿啼奥出雲集
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猿啼奥出雲集
和歌にこめた思い
新しい古典和歌の歴史をつくる!
内田かつひろ/和歌DJうっちーのご紹介
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歌人紹介
猿啼奥出雲集
全歌
四季
冬
あゆみ行く足の音さへかはるなり霜柱立つ冬ぞ来にける
冬さればつぎて降らなむ白雪の色にまぎるる紅の花
楓葉のこころは知らず金沢の水さえ色はうつろひにけり
青葉こそ秋のとまりとなりぬめれ色より深き六浦の楓
常の木も色かはりする景色かな冬の朝日のひかりのままに
晴れやらぬ心のうちにゆきくれて来にける春は虚しからずや
帰りこぬ年の終はりを思うにもただ里人は春を待つらむ
葛城や標の紐を解かむとて間なく時なく雪ぞ降りける
人知れず匂ひぬるらし霙降るむなしき枝に来ゐるうぐひす
雪まぜに心みだれて今日もまた見果てぬ夢に枕濡らしつ
みぞれ降る空の重さを眺めてはなほ思ひ沈む心なりけり
弓張りの月の空より眺むれば山のあなたに春や見ゆらむ
語らまし垣根の隙の寒椿春待つ人やいつか会ひみむ
軒端うつ垂水の音の早ければ今吹く風はあゆの風かな
雪深き春の通い路迷ひなば山橘の色を訪ねよ
雪の降れば上枝の花も綻びて人に知られぬ春や来るかな
冬されば人恋しくもなりにけりポインセチアの色に焦がれて
ゆき暮れて誰も問ひ来ぬ山里に折れ伏す竹の音のみぞする
諸人よ今ぞ踏みつる土くれは昨日の錦、色の果てなり
年の瀬やいまだ待たるる宝船今年こそ射れ一矢の夢よ
冬枯れの枝に吹き添ふ風のまにまだきうつろふ花の白雪
みに染まる色もありけり橘の昔語りの人を思へば
秋すぎて花の色香はなけれどもいまだ心をゆりし面影
まれに見む人と重ねる夜なれや隠るものかは紙漉きの空
雨の音に響く砧もうちたえていかが過ぐらむ常しえの夜
霜むすぶ夕べの人のよすがにもひとり眺める有明の月
ふらねどもふりゆくものは雪ならで我が身に積もる歳の暮れかな
雪なくてひた面なる蕗の子のふきそふ風に春は見えけり
思ふこと限りなければ雉のこえ音をのみぞなく冬を眺めて
霜結びわたる夜空の鐘の音に一人暮れぬる寒山寺かな
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