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猿啼奥出雲集
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猿啼奥出雲集
和歌にこめた思い
新しい古典和歌の歴史をつくる!
内田かつひろ/和歌DJうっちーのご紹介
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歌人紹介
猿啼奥出雲集
全歌
四季
冬
まれに見む人と重ねる夜なれや隠るものかは紙漉きの空
雨の音に響く砧もうちたえていかが過ぐらむ常しえの夜
霜むすぶ夕べの人のよすがにもひとり眺める有明の月
ふらねどもふりゆくものは雪ならで我が身に積もる歳の暮れかな
雪なくてひた面なる蕗の子のふきそふ風に春は見えけり
思ふこと限りなければ雉のこえ音をのみぞなく冬を眺めて
霜結びわたる夜空の鐘の音に一人暮れぬる寒山寺かな
風の色は春より春になりにけるモノクロームの陽溜りの中
魚もまた心ありけり父母のしきりに恋し暮れの道ゆき
誰も人は立ち入らぬべき雪山を角落としつつ鹿は行くなり
濡れてなほ氷雨の駅に頼るかな線路に伝ふ雨の足音
春までは人な起こしそ夢見つつ熊も籠れり我も籠れり
冬籠り窓辺の雪はそれとみて盃交わし春ぞ語らん
寒椿犬も小簑をほしげなり軒漏る雨の夕闇のころ
まどかなる露の朝焼け立ちのぼる冬のひかりに解けて心も
透きとほる空の飛行機朝霜の白きをみれば冬立にけり
三十日月砧はとうに尽き果ててなれど今宵は涙絶えせぬ
花に染む心を捨てき冬の日にあなあな憎や水仙の花
今はとて名残の色も絶え果てぬ木の葉につらき氷雨降りけり
さねかずら小夜に言問ふ人もがな紅葉降りしく冬ざれの庭
冬まだき霜焼け赤き童のあそびのさきに山茶花の花
春風のたよりは今し吹きにけり袖ふるひとの花の香ぞする
春をとふ雨はかわらず身にしみてぬれる枕の夢のうつり香
雪どけのたるみをわけてふきのとうみどり萌えたつ春はいまかも
おもかげは月のやどりと消えななむこころあまりて古里のひと
みるめなき汀の月はさえわびてただわれからの恋やつれなき
街のいろひかりの雪にうづもれて歩みもやらず月かかやけり
白雪のなごりに染まるから風は色なきほどに身にぞしみける
目に刺さる冬のひかりは土のそことけぬ泉のほむらなりけり
冬やみにあるかあらぬか三日月の胸突くほどに霜まさりけり
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