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猿啼奥出雲集
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猿啼奥出雲集
和歌にこめた思い
新しい古典和歌の歴史をつくる!
内田かつひろ/和歌DJうっちーのご紹介
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歌人紹介
猿啼奥出雲集
全歌
四季
春
雨音に君が別れを聞き分かむただ窓越しに春は去にけり
まれにみる虹もひとしくあかざりけり花見し後の春の心は
雨あがりさりとて止まぬ物憂さにひとり眺めて虹を待つかな
花やいかにおぼろに霞む夕暮れに春を見捨ててその身果つらむ
散りはらう嵐に混じる悲しびは永遠の別れの叫びなりけり
惜しむとて止まらぬものを桜花あと幾歳や君に逢い見む
泣き濡れて風は吹くなり桜花おのがなくとも散りぬるものを
花ぞ散る虚しき枝に萌え出づる緑はかなく春は去にけり
朝夕に散りける花の面影は昔をしのぶ心なりけり
またひとつ花と齢を重ねけり今年いかなる色染むるらむ
奥山の人もすさめぬ桜花いかに思ひてその身果つべし
花の色は岸のほとりにうち寄せて方やうつろふ白滝の峰
土の戸を開けてくるかな烏毛虫のまゆにまぎるる君ぞ愛しき
時は今花の盛りのころなれど虚しさまさる木の下の影
春くれどいまだ心は晴れやらでただ九重の雲ぞ隔つる
わが恋はみゆき隠れの草なれや春陽を浴びて色めきにけり
捨て果つるさても我が身に春風は花の心を咲かせしむかな
梅の花散らばこそ散れあくがるる花の季節は重ねてぞ来る
あめんどう花のさかづき違へどもゑひては同じ色に染むらん
しめやかに霞の衣棚引いて亡き人思ふ三陸の春
いたづらに廻り合ひたる雪月花君を忘れて呑む酒もがな
春ながら雪に粉ひて散る花に寄り添う月の愛しき面影
雪みてもまた月みても花匂ひけり宙にひとつの星の踊り子
汝が鳴けば霞のうちに知られけり今盛りなる花の古里
鶯の凍れる涙今ぞとく軒の玉水しげき春風
人知れずうつろふ花を惜しむとて羽白妙の鳥や鳴くなる
新しき年を厭ひて月読や氷の岩戸なほ留まんとす
芹薺またも合ひ見む春なれや命ありてのこれぞたまもの
松が枝の末もひとしき常緑幸ひつづく君が世と見む
あらたまの年の始めに降る雪は言わぬものからいやしく吉ごと
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