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猿啼奥出雲集
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猿啼奥出雲集
和歌にこめた思い
新しい古典和歌の歴史をつくる!
内田かつひろ/和歌DJうっちーのご紹介
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歌人紹介
猿啼奥出雲集
全歌
四季
春
由比ヶ浜見下ろす山にきてみれば成らぬ憂ひも消え果てにけり
月曜のたわわに咲ける八重桜人の咎める色にぞありける
かの国の名を負ふ寺と聞けばこそげにゆかしけれ花は散るとも
花水木 (はなみずき)見ずもあらなむ浅ましくかへらぬ花に惑へる我を
このもとに消えもあへずに見ゆ花の回向(ゑかう)がごとく雨は降るなり
軒下で語らふ恋もありぬべしまだきうち解く燕(つばくらめ)かな
さくら花散りにしのちの春風に人目を避きて揺れる木蓮
散る花のひとつひとつに頭垂るみたまのおはす花とし聞けば
さくら花散るを知らずや堀川に春をもとめてまよふ白鳥
風ふきて水なき道による波はかへらぬ春の涙なりけり
鈍色の人もすさめぬ桜川ぬしなき舟の色ぞむなしき
山のべの花を訪ねて来しものを迷ひてやいま白雲のなか
年ごとにあらそふ色をいかがせむ花の主はいづれもしかり
訪(とぶ)らばや昔の人の通ひける深山をめぐる枝折の道を
病みて臥す部屋の障子に知られけり若葉の萌ゆるひかりの春を
初瀬山とめくる人も春めいて袖なつかしき花の香ぞする
朝まだき障子をとほる春風のかはる匂ひに花ぞ咲くらむ
みせばやな春はあらじという人に昔と同じこのひと本を
その花はちいさくあれど色深しひとつに春を留めぬるかな
春来れば雪解け水の下る瀬にその色となく上る白魚
風まぜに匂ひぬるかな蝋梅の花に遅れて春は来にけり
ことならば濡るるともよし御手洗のあまだれを待つ夏越祓に
行く水の流れにあへず山吹のむなしき色に春や尽くらん
立ち返るよるべなぎさの藤波やうつろふ色に春も去ぬべし
花やいかに千々に心を染むるらむ木の下陰にながめ暮しつ
思ひぬる昔の人は訪れでただいたづらに花は散りけり
まよひける道のまにまにとめくれば花なき里にうぐひすの声
かつは散り心砕くる花の枝にまだしき色の春を見るかな
ことならば散りぬともよし初桜よそげ顔なる花し恨めし
宵の間の薫る枕に寝覚めれば軒につれなき春雨の音
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