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猿啼奥出雲集
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猿啼奥出雲集
和歌にこめた思い
新しい古典和歌の歴史をつくる!
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歌人紹介
猿啼奥出雲集
全歌
恋
まれに見む人と重ねる夜なれや隠るものかは紙漉きの空
雨の音に響く砧もうちたえていかが過ぐらむ常しえの夜
霜むすぶ夕べの人のよすがにもひとり眺める有明の月
ほの揺りし麦わら帽の萬壽菊えやは忘れぬ夏のこひかな
雨続くころも待つかな片敷きの宿でなき濡れ我れきりぎりす
知るらめや水無し月の蛍火は見えでまされり下燃えにして
夢にても人目つつみの玉匣あければ虚し夏の短夜
なびかじな吹き寄す風に昼顔の干る間むなしく雨は降るとも
明けにけり灯火の影はうち消えてみじかき夢も結ぶことなく
ひとつふたつかへる昔もありにけり夏匂ひけるライラックの花
ラベンダーのにほへる君を忘れなばなど草しげる夏恋ひめやも
ハナミズキみずもあらなむ夏空のひかりにもゆる花の心を
わが恋はみゆき隠れの草なれや春陽を浴びて色めきにけり
春ながら雪に粉ひて散る花に寄り添う月の愛しき面影
濡れてなほ氷雨の駅に頼るかな線路に伝ふ雨の足音
三十日月砧はとうに尽き果ててなれど今宵は涙絶えせぬ
星流れ願ひかけたる雁金の宵闇に消ゆよその玉梓
風まぜに思ひ乱れて散りにけり野辺の白玉君に見せばや
色に染む秋さる人の戯れになほや露けき野辺のまつ虫
思ひわび泣く音にまがふ秋の夜の枯葉に迷ふ揚羽蝶かな
秋風はなほまだ遠く女郎花わびしき野辺に一人しほるる
かりそめの田の面の人は秋風か今日はいづこの稲穂吹くらむ
夏ふけてすずしき月の水のうへに蛍は燃ゆる思ひありせば
音もなくよりけに燃ゆる蛍かな五月雨つらき夕暮れのころ
五月雨に絶えても人のおもひあれ窓に音せぬ蛍飛ぶころ
紫陽花によそふるつゆも知らぬ間にかれてむなしき夏の恋かな
いづくにぞ色触れにけるくれないの末摘花の忘れがたきに
さみだれて今朝も枕に目覚めれば移ろひにけり雨の橘
桑の葉の音のみさやぐむばたまの夜まちかねていもや寝られず
思ひ出づこの身竹笋雨ふればさらに繫るる恋もするかな
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